障害年金の打ち切りが今後は増加するのか
日本年金機構が障害や難病を抱える人に支給する障害基礎年金の
受給者1010人に対し、障害の程度が軽く受給の基準に達しないとして、
打ち切りを予告する文書を送付していたようです。
このニュースを見て、私の年金はだいじょうぶか?
と心配されているかたも多いかと思います。
個人的な意見ですが、あまり心配する必要はないのかと思っています。
その理由を以下に書いていこうと思います。
多くの受給権者は大丈夫
今回、障害年金の打ち切りが発表されたのは、
20歳前障害(未成年)による障害基礎年金が対象で、
20歳前障害の基礎年金とは、未成年は年金を支払っていない(支払い義務がない)ので、
その間に障害の原因となる疾病等を発症した場合、障害年金が
貰えなくなるので特別に、年金を支払っていなくても障害年金をもらえるという
福祉的な仕組みです。
この20歳前障害の障害基礎年金は過去に年金を支払ってなくても貰える
唯一の年金なので、もともと様々な制限があります。
代表的なのが所得制限です。
20歳前に傷病を負った人の障害基礎年金については、
本人が保険料を納付していないことから、所得制限が設けられており、
所得額が398万4干円(2人世帯)を超える場合には年金額の2分の1相当額に限り
支給停止とし、500万1干円を超える場合には全額支給停止とする二段階制が
とられています。引用サイト:日本年金機構
他にも様々な制限があるのですが、今回打ち切りが行われたのは
2017年4月から都道府県単位の審査を改め、東京に集約化し、審査を担当する
医師が代わったことなどが影響していると言われています。
そもそも、沢山の制限がある20歳前障害の障害基礎年金が審査制度の変更により
1000人強の人達が認定基準に達しないと判断されたのが今回の実態です。
ですので、障害年金の打ち切りが今後は増加するような事態が起きるとは
言えないというのが個人的な意見です。
また、厚生労働省は衆院厚生労働委員会で、精神・知的障害者は打ち切りの
検討対象に含まれないとも明らかにしています。
でも、財政状況が苦しいし、不正受給がるのも事実
しかしながら、年金財政が潤沢ではないのは周知の事実で、そんな中、
近年、障害年金の請求件数のは増加傾向にあります。
こうした状況の中で審査を厳しくし、ているのでは?という意見もあるが
それよりも深刻なのは不正受給目的の障害年金の請求があるという事実です。
障害年金はいったん受給が決定すると多額の年金を受給できることもあります。
そうしたお金目的で精神疾患を患ったふりをして受給しようとする輩も
一部ではありますが、存在のが現実かと思います。
こうした不正受給を防ぐために障害年金の申請、請求のしくみが複雑になり
難しくなっている側面もあると思います。つまり、
「本来、もらえるべきなのにもらえない人」がいる一方で、
「本来、もらえないはずなのにもらっている人」がいる。
のが今の障害年金の制度だとも言えると思います。
不正受給を防ぐために申請制度が複雑化し、その結果、
「本来、もらえるべきなのにもらえない人」が生まれるのでは本末転倒です。
今後、「本来、障害年金がもらえる人がもらえないことをサポートする」社労士が増え
不正受給が淘汰されるように切に願います。