運動がうつ病の予防に効果的!?
ようやく暖かくなりはじめ、体でも動かしたい気分になる今日この頃ですが、
運動の強度に関わらず、週に一時間程度の運動でも、将来的にうつ病になる
リスクを低下させる可能性があるとノルウェーの成人約3万4,000人を対象とした
研究で明らかになりました。
この研究を実施したのはニューサウスウェールズ大学(オーストラリア)
精神医学部准教授のSamuel Harvey氏をはじめとするオーストラリア、ノルウェー、
英国の共同研究グループで、その結果、約11年間の追跡期間中に7%がうつ病を
発症し、9%が不安障害を発症していたが、研究開始時に強度にかかわらず
余暇に運動を定期的にしている人ではうつ病を発症するリスクが低いことが
分かった。
交絡因子を調整して解析した結果、対象者の全員が週1時間以上運動していれば、
その後発症したうつ病の12%を予防できたと推定された。また、研究開始時に
全く運動をしていなかった人では、週に1~2時間運動していた人と比べて
うつ病を発症するリスクが44%高いことも示された。一方、
運動と不安障害リスクとの関連は認められなかった
トロント大学の研究でも少しの運動がうつ病の予防に効果的と報告
カナダ・トロント大学のGeorge Mammen氏らが、運動がうつ病の発症を予防するかを
前向き研究のメタアナリシスにより検討しした。
結果は以下のとおりです。
・検索結果より得られた6,363件のうち30件の研究が分析対象となった。
・このうち25件の研究で、ベースラインの身体活動とその後のうつ病リスク
との間に負の相関があることが示されていた。・大半の研究は方法論的な質が高く、身体活動が将来のうつ病発症を
予防することを示す結果であった。・身体活動はどのようなレベルであれ(たとえ1週間当たり150分未満の
ウォーキングなど低いレベルであっても)、うつ病の予防に有効であると考えられる。
以前にも当サイトでは、ヨガでうつ病の症状を緩和できるという研究結果という
記事でヨガ運動のうつ病への効果を紹介ししました。
運動のうつ病への効果はまだまだ研究の余地があるものの、これらの研究結果
を見る限りでは、運動は少なからずともうつ病へなんらかの影響を与えるのは
間違いなさそうです。
また、うつ病の予防にかんしては、強度の関わらず、少しの運動でも効果が
あるという事なので、これまで全く運動していない人にとっても、ハードルの
低い予防策であるのはかなり心強い研究結果だと思います。