大人の発達障害とは
最近やたらと「大人の発達障害」というキーワードを各メディアで見る
ようになりました。
そもそも、発達障害とは大きくわけて3種類あって、その中身は
自閉症スペクトラム(ASD)、注意欠如多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)
の3つとなります。
そこで「大人の発達障害」も自閉症スペクトラム(ASD)、注意欠如多動性障害(ADHD)、
学習障害(LD)のいずれかに該当するわけですが、「大人の」と言われるは、
学生時代までは、多少の問題もあったかもしれないが、それほど不自由を
感じる事なく過ごすことが出来たが、大人になり社会人になると、会社という
組織の中で、成果を求め有れるようになったとたん、「社会性」「コミュニケーション面」
などがネックになり、怠け者や仕事が出来ない人として扱われるようになり、
はじめて、自分が発達障害である事の自覚を持つようになります。
こうした場合を「大人の発達障害」と言ったりするわけです。
発達障害は先天的な脳の障害なので大人の発達障害は生まれつきであり、
大人になってから発症するのではないのです。
大人の発達障害は増えているの?
そこで、最近やたらと「大人の発達障害」というキーワードを各メディアで見る
ようになってきたわけですが実際に「大人の発達障害」は増えているのかを
調べてみました。
成人発達障害の専門外来を設けている昭和大学附属烏山病院では、
2008年の開設時から2017年1月の時点で受診者数を見る限り
その推移は増加の一途をたどっているようです。(下図)
引用サイト:http://www.showa-u.ac.jp/rsch_acad/midd/greeting/index.html
大人の発達障害は昔から沢山いた
ここからは私の想像の域を脱しない話になるのですが、恐らく、大人の発達障害は
昔から一定の割合で存在していて、最近になりその割合が特に増加したわけでは
ないと思います。
各メディアで「大人の発達障害」というキーワードを取り扱うようになり、そこで
はじめて自身が発達障害である可能性がると自覚し、病院で受診する人が増え、
その結果、大人になってから発達障害であると知る事になるのだと思います。
その背景には働き方が昔とは違ってきたのが大きな理由ではないでしょうか。
昔は、工場などで労働する労働者が多かったわけですが、そうした工場は機械化
により、人は働かなくなり、現在はオフィス等でデスクワークが主流となります。
工場での流れ作業とは違いオフィスではどうしても「社会性」「コミュニケーション面」
が重要になってきます。
もちろん工場労働でもコミュニケーション面は必要だったとは思いますが、
仕事の作業中にはあまり必要がなかったのではないでしょうか。
「大人の発達障害」というキーワードだけが独り歩きすることなく発達障害への理解
が深まり、例え発達障害であっても個性がいかせる職場が増える事を切に望みます。