所得が低いほどうつ病になりやすいのか?
千葉大学の近藤克則教授がうつ病と貧困の関係を調査した結果をご紹介します。
2003年、近藤教授は65歳以上の約6万人を対象に、郵送で「高齢者の日常生活に関する
アンケート」を実施。
3万2891人から回答があり、必要な項目に回答していた2万3612人を分析した。その結果、1人あたりの所得が400万円以上の人の抑うつ率は男性2.3%、女性3.7%だったのに対し、
100万円未満では男性15.8%、女性15%。男性で6.9倍、女性でも4.1倍の格差があった。
貧困がうつ病の引き金になりそうな事は何となく理解はできますが、
6.9倍の格差もあるのは正直言って想定を超える数字ではないでしょうか。
もちろん、貧困という状況そのものがストレスの原因であるのもあるだろが、
将来への不安や子育てなども貧困と密接に絡んでくるので、そうした不安が心を蝕んでいくのかもしれません。
シングルマザーの7割が精神的不安を抱える
平均年収は223万円程度で、世間一般の年収が412万円程度です。
単純に、シングルマザーは平均の半分程度しかなく、子供を育てながらの
労働では十分な収入を得ることが難しい現状があるのは否めません。
OECD(経済協力開発機構)の調査では、ひとり親世帯で、
なおかつ親が就業している場合の相対的貧困率は、日本が54.6%。
先進国では頭一つ抜けています。
世界でも有数の経済大国にもかかわらず、いや、経済大国の中でこのような状況に
おかれているからこそ、心を病むのかもしれません。
事実、シングルマザーを支援するNPO法人によると、相談に来るシングルマザーで
精神的不安を訴える人は7割近くいるという。
仮に、うつ病等の精神疾患を患った場合、まずは、仕事よりも早期治療を優先し
より早い社会復帰を目指すのが理想ではあります。
しかし、シングルマザーの場合、貯金も少なく、子供も育てていく必要がり、
仕事よりも治療を優先するということは非常に難しく、こうした悪循環が、
より、重度のうつ病に陥る原因となります。
障害年金で経済的不安から脱却
障害年金は、うつ病をはじめとする精神疾患でも受給することが可能です。
もちろん、障害年金を受給するためには様々な要件をクリアしたうえで、
複雑な資料を作成等して、国に審査してもらう必要があります。
うつ病等の精神疾患の場合、障害年金の申請は他の傷病のように症状を客観的に証明することが
難しいので非常に難しい側面があります。
もし、自身やご家族に手伝ってもらっても申請をするのが難しいいと感じるようでしたら、
障害年金を専門としているお近くの社会保険労務士に依頼してください。
障害基礎年金2級でも年間80万円近く、障害厚生年金だと、年間200万円以上受給できる
ことがあります。
これは、症状が改善するまでずっともらえます。
経済的な不安を障害年金ですべて解決できるわけではないかもしれませんが、
治療に専念するのに大きくやくだつはずです。