完璧主義の危険な欠点
生真面目な日本人の中で完璧主義なのは美徳だととらえられがちです。しかし、
完璧主義な人は精神疾患を発症する危険性が高いとBBCが科学者の意見も交え、
「The dangerrous downsides of perfectionism」(完璧主義の危険な欠点)と題し
報じています。
ウエストバージニア大学のケイティ・ラスムッセン氏。完璧主義者は
年齢に関係なく、「うつ病」「不安」「自傷行為」「社交不安障害」
「広場恐怖症」「強迫性障害」「摂食障害」「心的外傷後ストレス障害」
「慢性疲労」「不眠症」「消化不良」「慢性頭痛」などを引き起こす可能性が
あります。
さらに問題なのは、完璧主義者が一度挫折を経験してしまうと、
自殺に及ぶ可能性が高くなるとのことです。
このため、完璧主義者が増えてくることは望ましいものではなく、自己を
破壊するものにつながると指摘しています。世界保健機関(WHO)によると、記録的な数の若者が精神疾患を経験しており、うつ病、
不安、漠然と死を願う「自殺念慮」は2008年から一般的なものになったとのことです。
そして、完璧主義の傾向がこれらの病気を発症させる可能性が予測されています。
「不安と抑うつに対する、最も強力な手段は『自分にやさしくする』ことであり、
これは完璧主義者が最も欠いているものです」と語っています。
日本の若年層の死因の1位は自殺という現実
昨年10月、神奈川県座間市のアパートで自殺願望を持った男女9人の遺体が見つかった
事件もまだ記憶に新しいですが、若年層の死因のトップが自殺なのは、なんと主要先進国で
日本だけです。(他の主要先進国の死因の1位は「事故」)
健康問題や介護問題や老後の問題を抱えた中高年等ではなく、これから未来のある若年層
での死因の1位が自殺というのはなんとも悲しいはなしです。
中高年の自殺は減少する一方で未来に希望を持てない若年層がそれだけ多くいるのが今の
日本なのです。
SNSには「死にたい」「消えたい」と訴える若者の投稿が氾濫している現実の中、
生真面目な日本人には、高い意欲を持って目標に向かい、さらに一定以上の無理はしない
「健全な完璧主義者」が理想の完璧主義なのかもしれません。
引用サイト:http://www.bbc.com/future/story/20180219-toxic-perfectionism-is-on-the-rise
https://gigazine.net/news/20180227-dangerous-downsides-of-perfectionism/